「烏有に帰す」

タイトルは「すっかり無くなる」という意味です。

先日、東京都港区某所の稲荷神社脇の史跡(?)の由来解説掲示板に書かれているのを、通りすがりに見かけました。

(割と綺麗で、そんなに古い掲示板ではないように見えました。)

 

前後の文脈から意味は類推できましたが、「烏有」の読み方については「特別な読み方をする熟字訓かも?」と思い、いまいち自信が持てませんでした。

調べてみたところ、普通に「うゆう」と音読みすればいいだけでした。

 


約四十年生きてきて、初めて知る日本語です。

特殊な専門用語や古語は別として、社会生活の中で使用され得る日本語は大体知っているつもりだったので、驚きでした。

小中高と、国語や漢文は比較的得意な方だったのですが。(古文は苦手)

まだまだ勉強不足ですね。

 

なお、「烏有」だけだと、「烏(いずく)んぞ有(あ)らんや」(どうしてあるだろうか)=「全く無い」という意味になるそうです。

「反語」というやつです。


 

漢文で「いずくんぞ」と読む漢字は多数ありますが、まさかカラスまでそうだとは思いませんでした。

あと意外な字としては「悪」もありますが、現代の日本語の中で「いずくんぞ」の意味で使われている例は見たことがありません。
これも、そのうち出会える日が来るのかもしれません。