富士山周遊記 <3日目>

旅の最終日(1月2日)。 いよいよ東京へ帰ります。

 

 

もう日の出を見る必要もないので元旦と違い早起きはせず、8時の朝食までゆっくり寝ます。

バイキング形式の朝食には、正月らしく伊達巻も登場。腹いっぱい食べて、エネルギーを蓄えます。

 

 

9時半に出発して山中湖の南岸を東へ進みます。

このあたりも景色が開けていて、見事な富士山の全景を見ることが出来ます。

道志みちに入りまずは山伏峠を目指し、10:20に峠の山伏トンネルを通過。

あとはひたすら急な下りが続き、「道の駅 どうし」まで、わずか20分で着きました。

ルートラボで確認したところ、距離にして約8.6km、標高差は409mです。

 

 

実はこの道志みちを、以前原付(レッツ4)で通ったことがあります。

その時は逆方向で、檜原村から相模湖、山中湖、御殿場を抜けて箱根へと向かいました。

今回は下りだからいいのですが、さすがに自転車で登りたいとは思わない道です。

 

 

その後も津久井湖に出るまで道志川沿いに下り続けるのですが、奥相模湖の手前あたりから平丸トンネル(12時過ぎに通過)までは上り坂も多いので、適宜手押しで進みます。

津久井湖の東端にある城山ダムを通過したのが、ほぼ13時ちょうど。

橋本まではほとんど平坦な地形なので、相模川と境川の分水嶺はいまいちよく分からなかったのですが、橋本から南大沢へ抜ける途中では峠になっている所がありました。

京王線「多摩境駅」の北側でトンネルをくぐるのですが、そこが境川と多摩川水系の分水嶺のようです。

 

 

14時過ぎに着いた南大沢では、この旅の第二の目的である東京ミートレアに寄って遅めの昼食をとりました。

「肉のテーマパーク」と聞いていたのですが、イメージほど大きな規模ではありませんでした。

旅の予算を使い切るつもりで高めのステーキを食べたのですが、なんとなく物足りないので他の店もハシゴしました。30歳になる少し前から食が細くなりつつあったのですが、この旅では自分でも驚くほどの食欲を発揮しています。やはり相当のエネルギーを使っているようです。

 

 

三井アウトレットパークにも寄ってみたかったのですが、帰宅を優先。

疲れてもいますし、なんでもかんでも一度に済ませてしまうことはありません。

また次の楽しみとしてとっておきます。

 

 

大栗川に沿って北上し、府中四谷橋で多摩川を渡り、北岸を川に沿って東進。

自宅に着いたのは16時半頃でした。

最終日の移動距離は約86km

3日間の合計では約284kmでした。

 

 

初日の出を見るためだけに、えらい時間と体力とお金を使いました。

退屈な正月が嫌なので企画してみたのですが、来年は寝正月でもいいかもしれません。

自転車ではなく、何かエンジンのついた乗り物でも買えば、さらに遠くへも行けるのですが・・・

富士山周遊記 <2日目> 後半

東京への帰途についた途端に自転車のチェーンが外れ、2013年は元旦から早速ピンチに見舞われました。
・・・・これは何かを暗示しているのでしょうか。
本栖湖から国道139号線を南下するルートは概ね下り坂なのですが、一部上り坂があってギアを最低速に入れたら再発してしまいました。しかたなく、手で押して進みます。
運良く、すぐに「道の駅 朝霧高原」に到着しました。時刻は8:40。
ひとまず休憩し、善後策を検討します。

 

 

昭文社のツーリングマップルでは、 "ジャンボな「コロッケ定食」や「肉丼」が人気" とあります。
コロッケ定食は売り切れていたので、肉丼を注文。
この手の施設に多い、レトルトか何かを温めるだけの代物と違い、ちゃんとここで調理しているようです。
また 地産地消 を標榜しており、肉丼の豚肉も、「朝霧ヨーグル豚」なる地元ブランド豚だそうです。
味はまぁ、格別に美味いというほどのものではなかったのですが、日本中どこへ行っても同じような味しかしないレトルト品よりは、はるかに上等と言えます。

 

 

さて、チェーンをどうにかしなくては・・・
挟まったチェーンを手で引っ張ってみたものの、手が真っ黒に汚れるだけで、一向に出てきません。
最悪、自転車はここで廃棄してバスで帰ることも考えましたが、その前に出来る限りの手を尽くします。

 

 

売店をブラブラして土産物を眺め(荷物を増やしたくないので買う気はゼロです。)ながら考えます。
自転車屋があるような市街地まではかなり距離がある。
仮にあったとしても、元日から営業はしていまい。
やはりここで自分の手で直すしかない。
道具も無しにどうやって?
そういや前に修理してもらった時にはどうしてたっけ。
別に、特別な工具で分解していたわけではなかったような気がする。
バールか何かを梃子にしていたような、いなかったような・・・

 

 

とりあえず道の駅の従業員の方に「自転車が故障したので、バールかなにかお借りできませんか?」と尋ねてみると、マイナスドライバー & モンキーレンチが出てきました。
2つの工具であーでもないこーでもないと弄り倒し、15分ほどかかってなんとかチェーンをギアに戻すことが出来ました。
めでたしめでたし。

 

 

両手の平がまっ黒になっているので、食堂隅の洗面台でひたすら洗い続けますが、なかなか落ちません。
肌のほうがカサカサになってきたので諦め、入口で振る舞っている甘酒をいただいて10時半頃出発。

 

 

引き続き、139号線をひたすら南下します。下り坂なので楽なものです。
だいぶ日も高くなり障害物もないため、たいへん綺麗な富士山の全体像を見ることができました。

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しかし気持ちのいい下り坂にも終わりが来ます。
富士宮市に入り、少し迷いながら国道469号線に切り替えて西へ進み始めると、また上り坂になります。
ひたすら手押しで山登りです。
12時頃、海側の景色が開けたところ(おそらく元村山あたり)から、駿河湾と伊豆半島が見えました。

 

 

曲がり角を曲がると新たな上り坂が見える・・・ という無限ループとも思える辛い時間を過ごし、13時半頃に「富士山こどもの国」、「富士サファリパーク」を通過。
富士サファリパークってここにあったんですね。初めて知りました。
その辺が一番高かったようで、その後はお待ちかねの下り坂。
上り坂のストレスを発散すべく颯爽と(といっても、カーブが多いのであまりスピードは出せないのですが。)駆け下り、ひたすら広大な陸上自衛隊富士演習場を横目に御殿場市内へと進みます。

 

 

14:40 に「無添くら寿司」にて昼食。元日から開いているのは大手チェーン店ぐらいですね。
15時半頃出発し、こんどは国道138号線を山中湖へ向けて北上します。
しかしまたも上り坂。半分は歩いていたと思います。
キリンのウイスキー「富士山麓」の蒸留所を通り過ぎたのが、日が傾きはじめた16時。
(ほんとに富士山麓で作っていたとは!)
道の駅 すばしり」についたのは17時でした。
地図で確認すると距離は5kmもないのですが、1時間もかかっています。

 

 

しばし休憩し、もう日も落ちたので宿泊施設を探します。 ところが・・・
ありません。
「道の駅 なるさわ」みたいに、都合よく宿泊施設が隣にあるとは限りません。
従業員の方いわく、少し引き返せば民宿があるが元日から営業しているかはわからないとのこと。

 

 

しかたなく、籠坂峠を越して山中湖へ向かいます。さすがに山中湖ならホテルぐらいあるでしょう。
峠までは、これまで以上に急な上り坂が続きます。
あたりはもうすっかり暗くなっていて、時々追い抜いていく自動車に気を付けながら(まさかこんな時間に自転車を漕いでいる奴がいるとは思っていないでしょう。)曲がりくねった道をトボトボと進みます。

 

 

ふと空を見上げると、都会ではまず見ることのできない 満天の星空 でした。
周囲に街の灯りが全く無い山の中のため、牡牛座の ヒアデス星団 までよく見えます。牡牛座の頭なんて、東京ではかろうじて「Vの字」が分かる程度にしか見えませんが、本当はもっと多くの星があったんですね。

 

 

苦労して峠を越した後は、山中湖まで一気に駆け下り、とりあえずジョナサンで夕食を食べます。
そこから湖に沿って西に進み、「山中湖畔荘 清渓」を見つけたのが19時半。
NHK以外に2チャンネルしか映らないことに衝撃を受け、さっさと寝ました。

 

 

2日目の移動距離は約90km。
初日よりは短いのですが、疲労とアップダウンのおかげで、同じ位に感じました。
つづく。

富士山周遊記 <2日目> 前半

寝ている間に新年を迎え、朝4時半起床。

5時半前に出発した時にはまだ真っ暗で、星もよく見えました。

 

 

昨日の続きで国道139号線を西(本栖湖方面)へ進むのですが、紅葉台を過ぎてからは概ね下り坂だったと記憶しています。国道の両脇は鬱蒼とした樹海で、暗い夜に走ると独特の雰囲気があります。精進湖を過ぎて南下し始めたころには空が白み始め、星も見えなくなります。

道路脇の電光掲示板によると、気温はマイナス9~11度。自転車の前カゴに入れておいたアクエリアスが、走っている間に凍っていました。

 

 

 

本栖湖も通り過ぎ、6時半頃に本栖ハイランドに到着。入場料は1,000円です。

日の出は8時過ぎと聞いていたので、早く着き過ぎたことを軽く後悔しました。寒い中で1時間半も待たなくてはいけません。どうせならあと1時間寝ておけば良かった・・・

竜神池沿いの最前列ポジションは既に先客(いかにも高級そうなカメラを携えた本格派の人たち)によって占められていたため、すこし下がったやや高い位置に陣取ります。

池が凍っていてダイヤモンド富士が映らないので、放水&人力で地道に氷を取り除いています。ボート(1隻しかない)で池に漕ぎ出し、オールで氷を割るのですが、とても大変そうでした。もうちょっとこう、効率的なやり方はないものかと思います。

 

 

待つ間は非常に長く感じました。特にすることもないので。ただただ寒いだけです。

充電器を家に忘れてデジカメのバッテリーも残り僅かなので、ぎりぎりまで電源を入れられません。

そうこうしているうちにツアー客などがゾロゾロと集まりはじめ、賑やかになってきました。

 

 

7時半頃にはかなり明るくなってきました。富士山の東側ではすでに日が昇っているのでしょう。

7時45分頃には背後の竜ヶ岳が中腹まで明るく照らされています。つまりそこにいる人からはすでに日の出が見えているということです。

天気はおおむね晴れていて富士山自体もはっきり見えているのですが、ちょうど山頂の向こう側に雲があるのが残念でした。雲が下から照らされて明るく光るため、正確な日の出のタイミングが掴みづらいのです。

 

 

眩しいのを我慢して山頂を凝視し、8時1~3分にかけて何枚かダイヤモンド富士を撮影しました。そのうちの1枚がこちらです。山頂の真ん中よりやや右側から出ていますね。

 

 

さて目的のダイヤモンド富士を見終えたら、あとは東京に帰るのみです。

4日から仕事なので、できれば2日までには帰りたい。でも来た道を引き返すだけではつまらないので、富士山の南側をぐるりと回って帰ることにしました。引き続き、国道139号線を南下します。

ここでアクシデント発生。 「道の駅 朝霧高原」の手前で、また自転車のチェーンがギアの内側に入り込んでしまいました・・・

 

つづく

 

富士山周遊記 <1日目>

初日の出のダイヤモンド富士を見に行った旅程について書きたいと思います。

 

 

本当は12/30に出発し、まず大月まで行って一泊するつもりだったのですが、雨により順延。

12/31の朝5時半頃に調布を出発。大月までは、国道20号線をひたすら西へ進みます。

日野バイパス沿いの南京亭で朝食をとり、高尾に着いたのが8時過ぎです。

ここから大垂水峠を越えるまでが最初の難関となります。半分以上は自転車を下りて、手押しで歩きました。

 

 

1時間弱登り続けて峠を越した後は、相模湖に出るまで爽快な下り坂になります。ただし下り車線はそこそこ自動車が多いので、適宜脇によって追い越させます。またカーブも多いので、スピードを出しすぎて反対車線に飛び出さないよう気を付けます。

相模湖からはおおむね緩やかな登り道で、大月に着いたのが12時過ぎ。ところどころ休憩もしていますが、出発からおよそ7時間かかっています。

ここで年越しそばを食べ、国道139号線に入って富士吉田を目指します。

途中、変なところに橋があるなと思って調べてみたら、リニアモーターカーの実験路線でした。

このあたりから、疲労のせいもあるのか坂が急に感じられるようになり、自転車を下りる頻度がだいぶ上がりました。実際急だったのかもしれませんけど。

 

 

15時頃、富士吉田の市街地に入りました。市街全体が坂になっていてほとんど歩きましたが、富士急ハイランドを通り過ぎたあたりから平坦になります。

夕日に照らされる富士山を眺めながら国道139号線をさらに西へと進みますが、16時を過ぎて日が傾いてきたため、そろそろ宿を探す必要があります。

ちなみに宿の予約などしていません。1日でどこまで行けるかも分かりませんし、基本ノープランです。

しかもここでスマートフォンのバッテリーが切れ、グーグルマップが見られなくなりました。念のためにツーリングマップも持ってきていますが、縮尺は [ 1 : 140,000 ] なのであまり細かい情報は載っていません。

そして、「もうちょっと行けそうだ」と欲をかいていくつかホテルを見送っているうちに暗くなってしまいました。市街地と違ってホテル自体がそれほど多くないため、結構ピンチです。

 

 

17時前に「道の駅 なるさわ」に着き、とりあえず夕食を食べました。

青木が原を通過して本栖湖のあたりまで行けばホテルがあるかもしれない。しかし何時になるかな・・・  などと考えながら出発したところ、すぐ隣に「富士緑の休暇村」なる宿泊施設があったので、そこに泊まることにしました。運良く空室があって助かりました。

併設の温泉施設「富士眺望の湯 ゆらり」で疲れた体を癒したあと、2度目の夕食をいただきました。普段はそんなこと無いのですが、なんとなく食べたくなったのです。一日でかなりのエネルギーを消費したようです。

なお、ルートラボで調べたところ、1日目の移動距離は100km強でした。

 

 

部屋に戻り、翌日の準備しようとしたところで衝撃の事実が発覚。

なんと、スマホの充電器等やモバイルルータ等を家に忘れてきたのです。不覚。2012年を締めくくる最後の日にやらかしてしまいました。

ノートパソコンだけは持ってきているのですが、ネットにつながらなければただの重りでしかありません。

俺は今日一日、こんな重りを積んで坂を登って来たのか・・・

部屋にもインターネット回線は無かったのですが、ロビーにインターネット用の共用パソコンが1台だけあったので事なきを得ました。

事前に調べておいた、ダイヤモンド富士の撮影スポットである「本栖ハイランド」の位置をグーグルマップで最終チェックします。また、スマホで位置を確認出来ないので、うっかり通り過ぎてしまわないようにストリートビューで付近の風景を確認し、頭に叩き込んでおきます。

 

 

鳴沢から本栖ハイランドまではさほどの距離はありませんが、余裕をもって朝4時半に目覚ましをかけておき、21時に寝ました。

つづく

謹賀新年 2013

fuji2013

みなさん、年末年始はどのようにお過ごしでしょうか。

私は、寝正月は退屈で嫌いなので、何でもいいから何かやってやろうと思い、初日の出を見に富士山まで行ってきました。

自転車で。

少々雲があったのですが、見事なダイヤモンド富士を見ることができました。冒頭の写真がそうです。

 

 

撮影場所は、本栖湖の南にある本栖ハイランド

この写真ではカットしていますが、手前の竜神池にも富士山が映るため、「ダブルダイヤモンド富士」の撮影ポイントとして有名だそうです。

多くのカメラマン、ツアー客、そしてNHKも撮影に来ていました。

 

 

湖面には氷が張っていたため、残念ながら私のポジションからはあまり綺麗には映っていませんでした。

係の人がボートで池に出て、頑張って一部の氷を割っていたので、ちょうどそこに富士山が映るようなポジションを取れれば良かったのかもしれません。

私より先に来て(徹夜?)いる本格派の人たちが占めている、池の淵(つまり最前列)がそうなのかもしれません。

 

 

ちなみに、この本栖ハイランドの年末年始撮影入場料は1,000円です。(通常営業時とどう違うのかは分かりません。)

冒頭の写真は8時2分の撮影ですが、その1分前ぐらいから山頂が光っていました。

私が到着したのは6時半頃で、その時点では池の淵ぐらいにしか人はいなかったのですが、だいたい7時過ぎぐらいからツアーバスが到着するなどしてどんどん人が集まり始め、最終的にはだいぶ混雑しました。好きなポジションを選ぶためには、7時前には来ておいた方がよいでしょう。

なお、カイロが必須です。私は持って行かなかったので、待つ間大変寒い思いをしました。

 

 

さて、昨年の投稿数を数えてみると、49件でした。1年は52週+αなので、年頭に立てたまますっかり忘れていた目標である、「週1回の更新ペース」をほんのわずかに達成できなかったことになります。

今年はきちんと週1回のペースを守って更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。