「スポーツ」という名のスポーツは存在しない。

雑草などという草はない」とは、漫画「覚悟のススメ」の主人公、
葉隠覚悟の台詞としてあまりにも有名ですが、
実は昭和天皇の言葉が元ネタなんですね。
いやいや別に漫画や皇室の話をしたいわけではありません。
タイトル通り、スポーツの話です。
大相撲ファンの方が書かれている某ブログで、一部の観客の応援スタイルを問題視していました。
具体的に言うと、最近魁皇ファンから広まった「コール」のことです。
それを「伝統的な美が崩れる結果となってしまった。」とかなり否定的に評価しているのですが、
私はその記事の中の全然違う部分が気になりました。
記事の中に、「・・・相撲が只のスポーツではなく・・・」という記述があり、そこに強い違和感を覚えたのです。
スポーツとは、「特別な相撲」と「特別でない只のスポーツ」に、二分することが出来るのでしょうか?
相撲が特別な存在であることは否定しません。
しかし、相撲に限らず、野球でもサッカーでも柔道でも、固有の歴史と、そこから来る特徴を持っているはずです。
であれば、相撲が特別なのと同様に、あらゆるスポーツはそれぞれ特別なのではないでしょうか。
そう考えたとき、もう一つの疑問が湧いてきました。
そもそも「スポーツ」って何だろう? と。
おそらく多くの人の認識では、まず最初に「スポーツ」という大きな枠があり、
その中に"水泳"や"カバディ"といった各種の競技が含まれているものと思われます。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
セパタクローもラクロスも、それぞれ独自に発達してきた、相互に独立した文化です。
それらを客観的に俯瞰すれば、スポーツという大きな枠に収めることも出来るのかもしれませんが、
それは決して、それぞれの文化の本質ではありません。
人類がその発祥以来、世界各地で発達させてきた様々な"文化"は、
それぞれが多くの側面を持った多面的な存在です。
その中でも、たまたま「スポーツ性」という側面を大なり小なり有している文化が、
まとめて「スポーツ」という大枠に放り込まれているだけなのではないでしょうか。
すると次に、「じゃあ"スポーツ性"って何?」という疑問が湧いてくるわけですが、
それについて考えるのはまたの機会にしたいと思います。
お わ り

かつおのツナ缶

ツナといえばマグロしか知りませんでしたが、
かつおのツナってのもあるんですね。
初めて知りました。
しかもマグロより安いんです。
130gの大きい缶なのに。
で、さっき食べたのですが、ちょっとクセがありますね。
そのまま食べるのなら、やっぱりマグロの方が美味しいと思います。
サラダなんかに入れるのであれば、かつおのクセを活かすことも
出来るのかもしれません。

出版社は電子"自費"出版にどう対応するのか?

Appleが新アプリ「iBooks Author」を発表しました。
既存の電子書籍化ツールとは比べ物にならないぐらい簡単に
電子書籍を作成できるそうです。
こういうのはAppleのお家芸ですね。
ただし、iBooks Authorで電子書籍化した著作物を販売しようとしたら、
同じくAppleの「iBooks Store」でしか販売出来ないそうです。
既存の紙媒体の製造・流通に喩えるなら、
本屋(小売店)が物書き(製造者・技術者・職人)に「全自動印刷製本機」を無料で利用させ、
その代わりに、出来上がった本は自分の店だけで売る、
という感じでしょうか。
どうやら、「出版社」という存在がすっぽりと抜けているようです。
出版社(の編集者)は、本の「商品」としての価値(魅力)を高めるために
過去の経験や市場動向を踏まえて物書きに対してアドバイスをしたり、
広告宣伝戦略を考えたり、本屋や取次店に売り込んだりするのが仕事ですが、
「iBooks Store」はそういう「世話」をしてくれるわけでは無いようです。
自分で書いた原稿を、電子書籍として自費出版してくれるサービスは、
「iBooks Store」が初めてではありません。これまでにもあります。
作家のよしもとばななさんは、エッセー集を出版社を通さずに電子出版した際、
そのメリットとして、出版社を通すことによる「ストレス」が無くなることを挙げています。
ただやはり、自分で校正できる程度の長さにする必要があるなど、
自費出版独特の制約もあったようです。
(もともと電子書籍では長い文章は読みにくいので、特に問題ではなかったそうです。)
電子化によって、自費出版のハードルは今後もどんどん下がって行くと思います。
これまでは、自費出版という手段を選ばないのなら、
出版社を通して出版せざるを得なかったわけですが、
そんな「既得権」を失った出版社が、今後どのようにして
自身の存在価値をアピールしてゆくのか、注目したいと思います。
出版社が持つノウハウが失われることで、電子書籍市場が
同人誌のような出版物ばかりになったら嫌だなあ・・・
と心配しているのは私だけでしょうか。杞憂だとよいのですが。
(同人活動が活発になり、そこからプロデビューする才能が伸びてゆくのであれば、
 勿論それは歓迎すべきことです。)
かつて、漫画雑誌をテーマに出版業界の内情に深く切り込んだ、
「編集王」という漫画がありました。
著者の土田世紀氏は、青少年育成条例への抗議のため、
ポルノとは全く関係の無いグルメ漫画の登場人物を、
何の脈絡も無くフルチンで描いたこともある漫画家です。
こういう問題には関心を持たれていることだろうと思うので
この問題を取り上げた、編集王の特別編でも描いてくれないものかと、期待しています。

QMSとISMSの、要求事項の共通構造

久しぶりにISOマネジメントシステム規格の話題です。
私は環境や食品安全の管理規格には詳しくなく、
品質(ISO9001:2008)と情報セキュリティ(ISO27001:2005)しか知らないのですが、
これらの要求事項に目を通されたことがある方なら、
共通する内容が多いことが分かると思います。
部分的には、完全に一致する箇所もあります。
(原文である英語が同一でも、日本規格協会による和訳が
 微妙に異なる箇所もあります。不思議です。)
「似ている部分」と「それぞれの規格に固有の部分」を見比べているうちに、
どちらの要求事項も、3つのカテゴリーに分けることが出来るのではないかと思い、やってみました。
当ブログをお読みの皆様がISOマネジメントシステム規格を理解する一助になれば幸いです。
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【1:マネジメントシステム全体に関わる、大前提について】
「マネジメントシステムを構築する上での心得」と言い換えることも可。
プロセスアプローチについての説明や、
経営者のコミットメント、一般要求事項などが該当します。。
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【2:マネジメントシステムの枠組み
1よりはやや具体的。
実際に組織内にマネジメントシステム(管理体制)を作るうえで
土台とすべき"基本構造"を示す要求事項。
文書、内部監査、マネジメントレビュー、是正処置などに関する要求事項が該当します。
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【3:管理のツボ
1と2だけでは、実際に何を管理したら品質を管理したことになるのか、
情報セキュリティを管理したことになるのか、全く分かりません。
その"何"を示しているのがこのカテゴリーです。
当然、内容は品質と情報セキュリティとで大きく異なります。
品質においては、顧客関連や設計・開発、購買などについての要求事項が該当します。
情報セキュリティにおいては、付属書Aにある「133の管理策」
このカテゴリーに該当すると思います。
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大雑把な分類ですが、いかがでしょうか。
分かりやすい要求事項のみ例示したので、その他の要求事項がどのカテゴリーに属するかは、
また、そもそも3つというカテゴリー数が妥当かどうかについては、
人によって様々な意見があるものと思われます。
1と2については、品質も情報セキュリティも、内容は概ね共通しています。
抽象的な分汎用性も高いので、これらの要求事項をベースとして、
必要に応じて多くの「○○マネジメントシステム」が作れるのではないでしょうか。
1から3にかけて、抽象的な要求が徐々に具体的な要求になって来るわけですが、
実務レベルで何をしたらいいのかは、結局最後まで触れられていません。
あくまでもマネジメントシステム(管理体制)についての要求事項なのですから、
組織内の管理職層向けに管理のツボまでを示すことが出来ればそれで十分だ、と
割り切っているものと思われます。
そもそも、あらゆる業種業態に適用できなくてはいけないので、
実務レベルのことなんて書きようが無いのです。
示された管理のツボを、どうやって、どれだけ詳細に、どれだけ頻繁に管理するか、
そのために現場はどう動けばよいのか、といった具体的なことは、
各組織が自分で考えなくて決めなくてはいけません。
(逆に言えば、組織が自由に決めてよい。)
規格要求事項と向き合う際には、コレはそもそもそういうモノなのだと認識し、
決して品質(情報セキュリティ)向上の特効薬だとは思わないことが肝要です。

恭賀新年 2012

2011年は全日本人にとって大変な年でした。
2012年を迎えた今も、国内政治・外交・経済、そして私自身にも問題が山積しておりますが、
少しでも日本が元気になるよう、微力ながら諸活動に努力していきたいと思います。
東日本大震災の被災地へも、また復興関連の作業のために行くつもりです。
(前回については2011/6/20~7/18の記事をご覧ください。)
今度はボランティアではなく、仕事として行くことになりそうですが。
2008年11月から書き始めたこのブログの更新回数を
数えてみたところ、年々落ち込んでおりました。
今後は平均週1件程度のペースを維持していきたいと思いますので、
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。