不況時にすべきこと。

先日、某グループウェア専門企業の株主総会に行って参りました。
発表された事業計画のなかに、こういったものがありました。
「あらためて、グループウェア事業に特化する。
 買収したものの、思ったようなシナジーが出なかった子会社は売却してゆく。」
いわゆる、「選択と集中」ってやつですね。
景気の良い時には、さらなる成長の可能性を模索し、未知の領域であっても
積極的に手を伸ばすことが大事だと思います。
そうしないことには、時代に取り残されかねません。
しかし、不況時は逆です。
そもそも未知の領域に手を伸ばす体力など、多くの企業には無いでしょう。
既知の領域が重要になってきます。
既知の領域とはつまり、すでに明らかになっている「自社の長所と短所」のことです。
長所に特化することがまず第一義。
そして、その足を引っ張る短所を埋める。
この2つが重要だと思います。
これは、企業のプロモーション活動にも影響します。
(特にBtoBの場合)
顧客の関心が「自社の既知の長所(と短所)をいかに伸ばすか(埋めるか)」
というテーマに向いているのであれば、
その顧客にモノやサービスを売る側も、自社のセールスポイントを分かりやすく明確にした上で、
「我々はそんなあなたの力になることが出来ますよ」と訴えかけなければいけません。
革新的なサービスや概念を創りだし、聞きなれないキャッチコピーを掲げても、
なかなか顧客は振り向いてくれないと思います。
「なんだかよく分からない、目新しいもの」は敬遠されてしまうでしょう。
たとえ自社のセールスポイントが革新的なものであったとしても、
最低限、顧客が最初に目にするキャッチコピー等は分かりやすくすべきだと思います。

5W1H

・Who(誰が)
・What(何を)
・When(いつ)
・Where(どこで)
・Why(どうして)
・How(どのように)
誰でも知っている、コミュニケーションの基本中の基本だ。
しかし、これを常にちゃんとやっている人は
(自分も含めて)少ないのではないだろうか。
言う側がうっかりすると、いくつかがポロリと抜けてしまう。
「何を」を言い忘れることはまずないだろうが、
それ以外がいい加減になることが多い。
聞く側が確認すれば良いとはいえ、たいていは後になってから気づく。
そして指示された仕事を実行に移そうとした段階で、
情報が足りない事に気づくのだ。
そこで自分の想像で足りない情報を補うわけだが、
それが原因で失敗に繋がることがある。
そして大抵は、確認不足ということで怒られることになる・・・
だが基本的には、指示を出す側に責任があると思う。
最初からきちんと情報が揃っていれば、
後から確認するなどとという「無駄」を生まずに済むし、
なにより確認しそびれるリスクが無い。
当たり前のことだが、仕事は一人でやっているのではない。
コミュニケーションの基本は大事にしたい。
そこで、自分が人からの指示を聞く際、
あるいは人に指示を出す際に気をつけたいポイントとして、
少しアレンジしてみた。
・Who(誰と)
・What(何を)
・When(いつまでに)
・Where(どこで)
・Why(何のために)
・How(どのように)
これらを、机の上の、常に目に入る場所に貼っておこうと考えている。
※最初のWhoを「誰と」としたのは、
 その仕事の関係者範囲を明確にするということ。
 ここの認識が甘いと、情報の共有を疎かにしてしまう。
 指示された仕事をやったという報告だけなら
 指示者に直接返せばいいだろうが、
 他の関係者と、付随する情報を共有することが必要な場合もある。

分業化+一元化=効率化!?

一連の仕事を、各工程ごとに分業する意味とは何だろうか?
特別な深い知識や職能が必要とされる業務は、
その業務に特化した職能の持ち主である「専門家(ないし部署)」に
任せた方が、高い成果が期待できる。
社内各所で発生するその業務を特定の専門家に集約し、
一元的に処理するのが効率が良いはずだ。
専門家はその単一業務に集中することで、
さらなるスキルアップも出来るだろう。
では、「専門家」とは、それ以外の仕事をすべきでない、
またはしないで良いのだろうか?
どんな業務でも、多かれ少なかれ、
連携する前後の工程とのやりとりや、
事務処理が附随するものである。
特に前者は、「分業」という仕事の形態を採る以上は避けては通れない。
ここがいい加減だと、つまらないミスを誘発することとなり、
かえって仕事の質を低めてしまう。
「連携」のための作業自体は、何らかの付加価値を産むのではない。
だから、ついつい面倒に感じてなおざりにしてしまう。
「そんなことをしている暇があったら、自分の「専門業務」に集中していたい。」
と誰しも思うだろう。(私も思う。)
しかしそのツケはいつか必ず回ってくる。
分業を進めれば進めるほど、「連携」のための作業は増える。
それらをきちんとやらなければ「一連」の業務として機能しないし、
きちんとやったとしても、決して少なくない労力がそのために費されてしまう。
「一元化」と言えば聞こえはいいが、
かえって無駄を産む「細分化」は避けなくてはいけない。
本当に「特別な職能」が必要でなければ、他人任せにせず、
一連の業務を一人で担当する方が結果として効率的ではないだろうか。
誰でも出来ることは、自分でやるべきである。
そういった事をきちんと行った結果、附随する作業が膨らんでしまい、
集中すべき専門業務に時間がかけられなくなってしまったら・・・?
附随業務の効率化のために知恵を絞るしかないと思う。
仕事というのは、結局の所、その仕事を一番確実に、
迅速に出来る人がやるのが効率が良いのである。
自分の手元で済むことを、「自分の本来の仕事ではないから」と言って、
安易に人任せにしてはいけない。
それは結局、確実性も迅速性も損なうことになる。