分業化+一元化=効率化!?

一連の仕事を、各工程ごとに分業する意味とは何だろうか?
特別な深い知識や職能が必要とされる業務は、
その業務に特化した職能の持ち主である「専門家(ないし部署)」に
任せた方が、高い成果が期待できる。
社内各所で発生するその業務を特定の専門家に集約し、
一元的に処理するのが効率が良いはずだ。
専門家はその単一業務に集中することで、
さらなるスキルアップも出来るだろう。
では、「専門家」とは、それ以外の仕事をすべきでない、
またはしないで良いのだろうか?
どんな業務でも、多かれ少なかれ、
連携する前後の工程とのやりとりや、
事務処理が附随するものである。
特に前者は、「分業」という仕事の形態を採る以上は避けては通れない。
ここがいい加減だと、つまらないミスを誘発することとなり、
かえって仕事の質を低めてしまう。
「連携」のための作業自体は、何らかの付加価値を産むのではない。
だから、ついつい面倒に感じてなおざりにしてしまう。
「そんなことをしている暇があったら、自分の「専門業務」に集中していたい。」
と誰しも思うだろう。(私も思う。)
しかしそのツケはいつか必ず回ってくる。
分業を進めれば進めるほど、「連携」のための作業は増える。
それらをきちんとやらなければ「一連」の業務として機能しないし、
きちんとやったとしても、決して少なくない労力がそのために費されてしまう。
「一元化」と言えば聞こえはいいが、
かえって無駄を産む「細分化」は避けなくてはいけない。
本当に「特別な職能」が必要でなければ、他人任せにせず、
一連の業務を一人で担当する方が結果として効率的ではないだろうか。
誰でも出来ることは、自分でやるべきである。
そういった事をきちんと行った結果、附随する作業が膨らんでしまい、
集中すべき専門業務に時間がかけられなくなってしまったら・・・?
附随業務の効率化のために知恵を絞るしかないと思う。
仕事というのは、結局の所、その仕事を一番確実に、
迅速に出来る人がやるのが効率が良いのである。
自分の手元で済むことを、「自分の本来の仕事ではないから」と言って、
安易に人任せにしてはいけない。
それは結局、確実性も迅速性も損なうことになる。