富士山周遊記 <2日目> 後半

東京への帰途についた途端に自転車のチェーンが外れ、2013年は元旦から早速ピンチに見舞われました。
・・・・これは何かを暗示しているのでしょうか。
本栖湖から国道139号線を南下するルートは概ね下り坂なのですが、一部上り坂があってギアを最低速に入れたら再発してしまいました。しかたなく、手で押して進みます。
運良く、すぐに「道の駅 朝霧高原」に到着しました。時刻は8:40。
ひとまず休憩し、善後策を検討します。

 

 

昭文社のツーリングマップルでは、 “ジャンボな「コロッケ定食」や「肉丼」が人気” とあります。
コロッケ定食は売り切れていたので、肉丼を注文。
この手の施設に多い、レトルトか何かを温めるだけの代物と違い、ちゃんとここで調理しているようです。
また 地産地消 を標榜しており、肉丼の豚肉も、「朝霧ヨーグル豚」なる地元ブランド豚だそうです。
味はまぁ、格別に美味いというほどのものではなかったのですが、日本中どこへ行っても同じような味しかしないレトルト品よりは、はるかに上等と言えます。

 

 

さて、チェーンをどうにかしなくては・・・
挟まったチェーンを手で引っ張ってみたものの、手が真っ黒に汚れるだけで、一向に出てきません。
最悪、自転車はここで廃棄してバスで帰ることも考えましたが、その前に出来る限りの手を尽くします。

 

 

売店をブラブラして土産物を眺め(荷物を増やしたくないので買う気はゼロです。)ながら考えます。
自転車屋があるような市街地まではかなり距離がある。
仮にあったとしても、元日から営業はしていまい。
やはりここで自分の手で直すしかない。
道具も無しにどうやって?
そういや前に修理してもらった時にはどうしてたっけ。
別に、特別な工具で分解していたわけではなかったような気がする。
バールか何かを梃子にしていたような、いなかったような・・・

 

 

とりあえず道の駅の従業員の方に「自転車が故障したので、バールかなにかお借りできませんか?」と尋ねてみると、マイナスドライバー & モンキーレンチが出てきました。
2つの工具であーでもないこーでもないと弄り倒し、15分ほどかかってなんとかチェーンをギアに戻すことが出来ました。
めでたしめでたし。

 

 

両手の平がまっ黒になっているので、食堂隅の洗面台でひたすら洗い続けますが、なかなか落ちません。
肌のほうがカサカサになってきたので諦め、入口で振る舞っている甘酒をいただいて10時半頃出発。

 

 

引き続き、139号線をひたすら南下します。下り坂なので楽なものです。
だいぶ日も高くなり障害物もないため、たいへん綺麗な富士山の全体像を見ることができました。

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しかし気持ちのいい下り坂にも終わりが来ます。
富士宮市に入り、少し迷いながら国道469号線に切り替えて西へ進み始めると、また上り坂になります。
ひたすら手押しで山登りです。
12時頃、海側の景色が開けたところ(おそらく元村山あたり)から、駿河湾と伊豆半島が見えました。

 

 

曲がり角を曲がると新たな上り坂が見える・・・ という無限ループとも思える辛い時間を過ごし、13時半頃に「富士山こどもの国」、「富士サファリパーク」を通過。
富士サファリパークってここにあったんですね。初めて知りました。
その辺が一番高かったようで、その後はお待ちかねの下り坂。
上り坂のストレスを発散すべく颯爽と(といっても、カーブが多いのであまりスピードは出せないのですが。)駆け下り、ひたすら広大な陸上自衛隊富士演習場を横目に御殿場市内へと進みます。

 

 

14:40 に「無添くら寿司」にて昼食。元日から開いているのは大手チェーン店ぐらいですね。
15時半頃出発し、こんどは国道138号線を山中湖へ向けて北上します。
しかしまたも上り坂。半分は歩いていたと思います。
キリンのウイスキー「富士山麓」の蒸留所を通り過ぎたのが、日が傾きはじめた16時。
(ほんとに富士山麓で作っていたとは!)
道の駅 すばしり」についたのは17時でした。
地図で確認すると距離は5kmもないのですが、1時間もかかっています。

 

 

しばし休憩し、もう日も落ちたので宿泊施設を探します。 ところが・・・
ありません。
「道の駅 なるさわ」みたいに、都合よく宿泊施設が隣にあるとは限りません。
従業員の方いわく、少し引き返せば民宿があるが元日から営業しているかはわからないとのこと。

 

 

しかたなく、籠坂峠を越して山中湖へ向かいます。さすがに山中湖ならホテルぐらいあるでしょう。
峠までは、これまで以上に急な上り坂が続きます。
あたりはもうすっかり暗くなっていて、時々追い抜いていく自動車に気を付けながら(まさかこんな時間に自転車を漕いでいる奴がいるとは思っていないでしょう。)曲がりくねった道をトボトボと進みます。

 

 

ふと空を見上げると、都会ではまず見ることのできない 満天の星空 でした。
周囲に街の灯りが全く無い山の中のため、牡牛座の ヒアデス星団 までよく見えます。牡牛座の頭なんて、東京ではかろうじて「Vの字」が分かる程度にしか見えませんが、本当はもっと多くの星があったんですね。

 

 

苦労して峠を越した後は、山中湖まで一気に駆け下り、とりあえずジョナサンで夕食を食べます。
そこから湖に沿って西に進み、「山中湖畔荘 清渓」を見つけたのが19時半。
NHK以外に2チャンネルしか映らないことに衝撃を受け、さっさと寝ました。

 

 

2日目の移動距離は約90km。
初日よりは短いのですが、疲労とアップダウンのおかげで、同じ位に感じました。
つづく。