ここ数日のIT系ニュースは、ランサムウェアの話題で持ち切りです。
多くのニュースは、最後に「対策」を書いて締めくっているのですが、その内容はどれも似たり寄ったりで、「OSに最新のセキュリティパッチを当てましょう。」や「怪しいメールの添付ファイルは開かないようにしましょう。」といった、常識的なものばかりです。
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「怪しいメール」と言うのは簡単ですが、うっかり騙されてしまう人が跡を絶たないのはなぜでしょうか。
手口が日々進歩してより巧妙になっていることは確かですが、理由はそれだけでしょうか。
私は、ウイルスメールに限らず、この世から詐欺事件(に引っかかる人)が無くならないのは、「そもそも人間の脳は騙されるようにできている」からだと考えています。
人間の脳には、「不完全で分かりにくい情報」を得た際に、足りない部分を自動的に(無意識に)補うことで「辻褄の合う分かりやすい情報」に仕立て上げる機能が備わっています。
視覚におけるこの機能は、「モーダル補完」や「アモーダル補完」と呼ばれています。(いわゆる「目の錯覚」(錯視)のことです。)
私は、この補完機能は「視覚」だけでなく「思考」においても起こり得るのではないかと考えています。
そして、その「辻褄」は、得てして「自分にとって都合が良い、心地よい」方向に偏ってしまいがちではないでしょうか。
そのために、本来は便利なはずの補完機能が「悪人に付け込まれる隙」になってしまっているのだと思います。