東京オリンピック・パラリンピックは開催できるのか?

本来なら「2020年7月24日開会」だった2020年東京オリンピックですが、その4ヶ月前の「2020年3月24日」に「一年程度の延期」が決定されました。

そして6日後の3月30日に、「2021年7月23日開会」が決定しました。

 

日本においては、当時はまだ第一回緊急事態宣言の前でした。
2020年3月24日の東京都の発症者は47名

しかし海外では、代表選手選考会の開催すらままならない国もあったので、ギリギリかやや遅いくらいの判断だったと思います。

それから約1年2ヶ月経ち、もう開会まで2ヶ月を切りましたが、新型コロナウイルスの猛威は相変わらず収まっていません。

このような状況で、本当にオリンピック・パラリンピックを開催できるのでしょうか?


ごく一部の国では、ワクチンの接種がだいぶ進んでいるようですが・・・

世界的には、まだまだです。

 NHKが「Our World in Data」のデータをもとに作ったグラフによると、2021年5月28日時点で接種完了率が1割を超えている国は、十数ヵ国しかありません。
(以下の画像は記事の一部を抜粋したものです。)
結論から言いますと、2021年5月28日現在、私としては「これはもう、無理でしょ・・・」と考えています。昨日の弁護士ドットコムニュースによると、開催反対の署名が40万筆を超えたそうです。
(以下の画像は記事の一部を抜粋したものです。)
ですが、願望としては「どうにかして開催して欲しい」と思ってもいます。

私自身、学生時代に某オリンピック競技をやっていたこともあり、オリンピック・パラリンピックを目指してきた代表選手達の努力が無駄になることだけは避けて欲しいからです。

逆に言えば、「どんな形であれ、最低限、試合が成立しさえすればいい」わけです。

綺麗事であることを承知で言いますが、「アスリートファースト」を標榜する以上、観客やスポンサー企業のことを考慮する必要はありません。
オリパラは、観客やスポンサー企業のためにあるわけではないので。
スポンサー企業も、自社の利益を度外視して「試合を成立させること」に協力するべきです。

その一方、当然ですが感染拡大を招くようなことがあってはいけません。

そこで、「どのような形なら開催できるのか?」を考えてみました。

ビジネスシーンにおいても、「できない理由よりできる理由を考えろ」って、よく言うじゃないですか。
それと同じです。
体操の内村航平選手が言いたいことも、たぶんそういうことだと思います。
(以下の画像は記事の一部を抜粋したものです。)

 

そこでまず、「試合以外のことは一切しない」ことを基本方針とします。

言い換えれば、「それをしなくても試合が成立するなら、しない」ということです。
このことを、万事において徹底します。

「人出を抑制」するには、絶対に外せないことだと思います。
(以下の画像は記事の一部を抜粋したものです。)

もう始まっている聖火リレーも、私は不要だったと思います。
わざわざ大会前に松明を持って走らなくても、試合はできますから。

たしかにオリンピック・パラリンピックを象徴する重要な神事ではありますけど・・・
どうしてもやりたいなら、日時・コースを非公開にして、深夜にこっそり走ればいいんです。
そうでもしなければ、沿道に人が集まることは不可避だからです。
(以下の画像は記事の一部を抜粋したものです。)

そして、「無観客」も当然です。

観客を入れることで、感染リスクが上がることはもちろん、誘導・警備などの業務が膨れ上がります。
そのリソースは他の感染防止策に使うべきです。

2021年3月には海外からの観客を受け入れないことを決定ましたが、日本国内も同様とすべきです。
(チケット払い戻しの業務は発生しますけど。)

応援の無い寂しい試合にはなりますが、それは全選手にとって平等なことなので、このコロナ禍においては受け入れてもらうしかありません。

 

開会式・閉会式も不要です。
派手な演出の中、長時間かけて全選手を行進させても、感染リスクとコストが上がるだけです。
そんなことしなくても試合は成立します。

選手の中には、自身の体調管理を最優先し、自主的に「開会式不参加」とする方もいらっしゃるでしょう。
もしそういう選手が多ければ、本来の主役であるはずの選手達がスカスカの状態で式を行うことになります。
ただライトが煌めき、花火が上がり、多くのダンサーが踊るだけの、何のためにやっているのか分からないショーになる恐れもあります。

なので、いっそのことそういった式典は一切中止でいいんです。

式典といえば、各競技における表彰式もありますが、これも簡素かつ事務的に済ませてよいと思います。
試合以外での選手・スタッフ間の接触を最低限に抑えるためです。
極端な話、やらなくたってメダルの色は変わりません。

 

また、試合を終えた選手やスタッフは可能な限り早めに「順次帰国」していただくのがよいと思います。
(国の選手団でまとまって帰国するなら、それまで隔離生活。)

試合前も含め、自国選手の応援・日本国内の観光・他国の選手との交流は、申し訳ないけどご遠慮いただきたい。

ものすごく退屈で、オリパラらしい楽しみが一切無い大会になるでしょうけど、このコロナ禍においては受け入れてもらうしかありません。

 

オリパラ本体の他に、付随するイベントも計画されているようですが、そんなものは全部中止で構いません。
むしろ、今の段階でまだそんなことをやるつもりでいることに驚きを禁じ得ません。

以下の記事は屋外なので「三密」ではないものの、リスクを冒してまで不特定多数の人間を集めるイベントを行う必要があるのか疑問です。
(以下の画像は記事の一部を抜粋したものです。)

 

新型コロナウイルスにばかり注目が集まっていますが、オリパラのような国際的イベントにおいて忘れてはいけないのが、テロ対策です。
ただでさえ医療リソースに余裕がない状況なわけですから、平時であれば「小規模」と看做される程度のテロであっても、大きな社会的影響を及ぼしかねません。
つまりこのコロナ禍は、テロリストの視点から見ると「効率的に目的を達成できるチャンス」でもあるわけです。

テロ対策・警備のリソースや、万が一テロが起きた場合に備える医療機関のリソースがもったいないので、各種付随イベントは全部中止すべきです。


とまあこんな具合なら、なんとか「感染リスクを上げず、コストやリソースの面で日本国内の感染対策をそれほど圧迫することもない」オリパラを開催可能なんじゃないでしょうか。

ここまで簡素化してしまうと、これまで行ってきた様々な準備が無駄になります。
スタッフの皆さんには大変気の毒なのですが、オリパラ自体の再延期や中止を回避するには、こうするのがベストだというのが柴田ススムの考えです。

「コンコルド効果(サンクコストバイアス)」に惑わされてはいけません。
「割り切る」ことが重要です。

さらなる極論を言えば、離島の廃校の体育館や運動場を借り切って、一年くらいかけて各種競技をちょこっとずつこなしていくのもいいかもしれません。
日本中の島々を探せば、適地が複数あるんじゃないでしょうか。
地理的にも時期的にも「隔離&分散」させることで、感染リスクはかなり下がります。
「東京」オリパラではなくなってしまいますが・・・
それでも「中止よりはマシ」だと思います。

世界各国の代表選手の方々の努力が無駄にならないことを、切に願っております。