文字起こしツール

会議の内容を録音しておいて、後で聴きながら議事録を作成する・・・

本当に面倒ですよね。
やったことがある人なら分かると思いますが、なんの面白味も無い、ただひたすら退屈な作業です。

 

 

でも、パソコンのマイクで会議の音声を拾って、直接テキストデータを生成できたら楽ですよね。

・・・それが、できるんです。しかも無料で。

GigaziNEで、「Recording Studio」というツールが紹介されていました。
"Google Chrome上でマイクから録音した声をリアルタイムで文字に書き起こしてくれる「The Recording Studio」"

 


Recording Studioを開発したのは、みずちさんというプログラマーの方です。
 

みずちさんのブログはコチラ。
"ブラウザでマイク入力から書き起こしを行うツールを作った"

一月前の、この記事もオススメです。
"プログラマという現代の傭兵"


GigaziNEの記事を読む限り、このツールはとても便利そうに思えます。

 

しかし、飛びつく前に一歩立ち止まって、こう考える必要があります。
こんなにも便利なものなのだから、その裏側にどれだけ大きなリスクが潜んでいるか、分かったものではないぞ。

ネット上のツールを駆使して仕事をするということは、開発者や事業者に社内情報を渡すことを意味します。
法人向けの有料クラウドサービスを契約するのならともかく、そうでない場合は警戒も必要です。

ネットに繋いだ状態で使うサービスである以上、入力したデータは社外へ飛んで行くはずですから。

 

別に、Recording Studioは危険だと決めつけているわけではありません。
ただ私はみずちさんのことを全く存じ上げないので、信頼に足る人物かどうかを判断できないのです。

 

これはみずちさんやRecording Studioに限った話ではありません。
ネット上のサービスはどれも、ユーザーが入力したデータが裏でどう処理されているのかを確認する術は無いのです。

その気になれば、入力された膨大なデータを蓄積しておき、企業の内部情報を見つけ出して投資に役立てることも可能だと思われます。

 

ある程度ちゃんと社員教育をしている企業であれば、「業務データを、個人で利用しているフリーのストレージサービスに保存してはいけない」といったようなことを周知徹底していると思われます。

しかしそれでも、「保存目的ではなく、一時的な処理のために入力するだけなら大丈夫だろう」と安易に考えてしまう社員がいてもおかしくはありません。

 

どんなツールもサービスも、基本的な仕組みを理解して「便利さ」と「リスク」を評価し、天秤にかける必要があるのです。
それができるだけの「知性」こそが本当に重要なITリテラシーであり、ただ知識やルールを覚えるだけでは不十分なのです。