見えないものは分からない。 ~可視化と情報公開~

ちょっとネガチブなタイトルと思われるかもしれませんが、
その通りちょっとネガチブな内容です。
つくづく思うのですが、人間なんてそんなに賢いもんじゃありませんね。
私自身もそうですし、私なんかよりずっと仕事ができう人間でもそうです。
ほとんどの人間は、「見えているものしか分からない」んです。
目に見えてないものは存在し無いも同じで、たいがいは思慮の外です。
なんとなくその"気配"に気づくことはありますが、所詮は気配どまり。
その"存在"の、「実態」、「大きさ」、「存在意義」などを、"実感"することは滅多にないでしょう。
そして、この"実感"こそが大事なのであり、
だからこそ、"実感"を喚起するために「可視化」が重要なんです。
人は、"実感"しなければ、いくら頭で分かっていてもアクションを起こさないからです。
使われていない会議室の電気がつけっぱなしだった場合、
経費を払う側である経営者にとっては、さぞ苦々しいことでしょう。
そこで、「無駄遣いは止めましょう」と呼びかけたとします。
一般論としてそれが正しいことは子供にも分かります。
しかし、それがお金にしていくらの無駄なのか、数字で見せられないことには
「もったいない!」という実感はなかなか湧かないものです。
もったいないと思ってなければ、消し忘れも減らないでしょうし、
注意されたとしても、「なんだ、そんな細かいこと・・・」と内心反発することでしょう。
無理からぬことだと思います。
大抵、電気代に限らず、オフィスの賃料だとかパソコンのリース代だとか、
そんな経費は経理部と経営者しかしりません。
その手の情報を、積極的に一般社員にも公開している会社というのはあまり聞きません。
見えている景色が違えば、その景色を見て感じることも違うはずです。
これはもう当然のことです。
同じ意識を共有したければ、同じ情報を可視化して共有するしかないんです。
そうしない限り、「うちの社員は無駄遣いが多くて困る・・・」という経営者の愚痴は、
未来永劫止むことは無いでしょう。
自分にだけ見えていても、積極的に可視化&情報公開していなければ共有されません。
同じ実感を持つよう要求する方が無理な話です。
だからこそ、経営者には
「社員達には何が見えてないのか?(何を見せていないのか?)」
が見えていなくてはいけないと思います。