誰の、誰による、誰のためのマネジメントシステム? <2>

さて今回は、前回の記事を書いたきっかけを説明します。
ちょうど今、勤務先で「購買先評価」の集計をしているんです。
私の所属は総務ですが、総務がISOの事務局も兼ねていますので。
「ISO9001:2000 7.4.1」に基づく制度として、
外注がある都度、その仕事の品質と情報資産の取扱いを評価し、
(そのためのチェックシートがあります。)
年に一度まとめて集計し、「外注先一覧」を更新しているのです。
そこで疑問に思ったんですね。
「これ、どれだけ意味があるのかな?」と。
ある購買先がポカをやらかし、低い評価がついたとしても、
それが一覧上に出てくるのは次の更新のタイミングです。
更新が年に一度ということは、下手をしたら1年近い間が空きます。
現場の方達が、そんな一覧を見ながら購買先を選ぶとは思えません。
かくして、誰からも感謝されない徒労を事務局が負いつづけることになります。
「現場の業務サイクル」に「管理のサイクル」がマッチしていないと、
形骸化した活動になってしまうという良い例です。
もっとも、納入の度に書かれるチェックシートも
一覧と一緒に公開していますから、
それを見れば直近の評価も分かるようにはなっています。
(最近のものは未集計ですが。)
しかし、チェックシートの項目が、
「現場の方々が、外注先の選定に役立てられる」
ような内容になっているかどうかは甚だ疑問です。
評価項目が、問題のある購買先を見つけるための減点法的構成になっているんですね。
それはそれで大事なんですが、いかにも「ISOのための書類」という印象を受けます。
ISOという観点にとらわれず、現場の日常業務の中で役に立てるには、
(購買先を選定する際に参考にする等)
その購買先の得意分野や、仕事の癖なども書かれていると良いですね。
今のチェックシートが作られたのは私が入社する以前ですので、
どういう経緯で今のスタイルになったのかは分かりませんが、
チェックシートの内容も制度の構造も、見直す必要がありそうです。
→to be continued.