本日(2021年7月31日)、とうとう東京都の陽性者報告数が四千人を超えました。
7月12日から始まった東京都四度目の緊急事態宣言も、「8月22日まで」の予定が「8月31日まで」に延びました。
首相官邸のWebサイトによると、現在の計画では8月中には国民の「ワクチン2回接種済」率が四割を超えることを目指しているそうです。
その割合まで達すれば感染拡大にも歯止めがかかるはず、と期待しているのでしょうが・・・
正直、そのような楽観的な見方は危険ではないかと思います。
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ワクチン接種が進むこと自体は大変結構ではありますが、必ずしも「四割を超えたから安心できる」とは限りません。
世界各国の「ワクチン接種率」と「新たな感染者数」を確認してみたのですが、「四割ぐらいじゃまだ必ずしも安心はできないのでは?」と感じました。
2回接種済でも感染してしまう人は一部いるでしょうし、気の緩みから人流の増加に繋がる可能性もあります。 変異株の脅威も未知数です。 どんなにうまくいったとしても、2回接種済率が四割を超えた次の日から、急に新規感染者数が減り始める・・・なんてことはあり得ません。 最終的には沈静化するにしろ、もうそろそろ限界が近づいている医療リソースがそれまで持つのかが問題です。 今がピークとは限りませんし。 東京都の陽性者報告数は、少なくとも8月中旬まではこのまま増え続け、五〜七千人程度にはなるんじゃないかと思っています。
今のところ、オリンピック関係者から一般の日本国民への感染は報道されていません。 とは言え、決して少なくない医療その他のリソースがオリンピックのために割かれていることもまた事実。 「感染対策をしっかりやればリスクは抑えられる」というフレーズをよく聞きますが、その「しっかり」のために割かれるリソースを一般の感染対策に回せばより多くの人が助かるのでは?という疑問が常に付き纏います。 残念なことに、警備のために兵庫県から派遣されてきた警察官の中でも感染者が出ています。 |
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こうなると、8月24日から始まるパラリンピックの雲行きが怪しくなってきます。
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パラリンピックを予定通り開催する一方で国民生活にいっそうの制限をかけようとすると、おそらく世論は反発します。
そして政府の呼びかけを無視するようになるでしょう。
(実際、すでに緊急事態宣言の "重み" はほとんど忘れ去られています。)
「困難の中、オリンピックだけは何とかやりきった」ことを手柄(?)と考える菅首相が、世論の圧力に負けてパラリンピックの中止に踏み切る可能性はゼロではありません。
(現時点では、菅首相はパラリンピックの中止に否定的だそうですが。)
現在の感染状況では、あと2〜3週間で「世論を納得させるためにパラリンピックを生贄にせざるを得ない状況」になっていてもおかしくありません。
(それが論理的に正しいかどうかは別にして。)
個人的には、オリンピック同様、パラリンピックも中止して欲しくはありません。
そのような状況を避けるためにも、オリンピック・パラリンピックの大胆な簡素化(オリンピック閉会式・パラリンピック開閉会式の中止等)をできるだけ早い段階で打ち出すべきではないかと考えています。