おまたせしました。2010年02月6日の記事の続編です。
気がついたら1か月も空いてしまいました・・・
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<観点2> 「何を○○するの?」
◆レビュー :規格には、「設計・開発の結果」が「要求事項」を満たせるかを評価し、
問題があったらなんとかしなさい、とあります。
ここで言う「結果」ですが、一体何を指しているのでしょうか?
また、「要求事項」は何を指しているのでしょうか?
手がかりになるる記述が乏しくISO9001の中でも大変不親切な部分です。
次項の「検証」には、「設計・開発からのアウトプットが云々」という記述があるので、
「結果」は、必ずしも「アウトプット」と同一のものを指すわけではないことがわかります。
同じものを指すのであれば、同じ言葉を使うはずですから。
「設計・開発からのアウトプット」であれば、「(次工程である)製造工程に引き渡すモノ」
(製造業であれば設計図面や試作品など)であることと理解できますが、(7.3.3のb)参照)
それとは別の概念である「設計・開発の結果」とは何でしょうか?
ヒントになると思われる記述が、「妥当性確認」の項にあります。
ここに、「結果として得られる製品が云々」とあるのです。
「製品とは、製造工程の結果なのでは?」という疑問が湧く方も少なくないと思います。
最終的に出来あがる「モノとしての製品」ならその通りでしょうが、
設計・開発工程においても、手では図面を書きながらも、頭の中には
出来上がった製品のイメージがあるはずです。
(そもそも、そうでなければ図面は起こせない。)
設計・開発の途中段階においては、「結果(として作られるであろうの製品)」は
設計者の頭の中にしかありません。
「こんなモノを作りたい」というイメージです。
最初はボンヤリしているでしょうが、スケッチを描いたり試作してみたりして、
徐々にはっきりさせていきます。
その「作りたいモノのイメージ」が「要求事項」を満たしているか、
設計途中でチェックしなさい、と言っているのが「設計・開発のレビュー」だと思います
ではさて、「要求事項」とは何でしょうか?
通常、規格内で要求事項と言う言葉が使われる場合、
「顧客要求事項」や「製品に関連する要求事項」など、何らかの修飾がなされます。
しかしこの7.3.4にはそれがありません。
英語の原文を読んでも、やはり単なる「requirement」とあるのみです。
ということは・・・ あらゆるタイプの要求事項を含んだ概念でしょうか!?
そうすると、全ての規格要求事項も含むことになってしまいますので、さすがに馴染みません。
ここは、「製品に関連する要求事項」に読み代えてよいと思います。
(この部分は、根拠が薄いと言われても仕方ないかもしれません・・・)
なお、製品に関連する要求事項とは、顧客が明示した要求以外にも、
・常識的に考えて満たしていなくてはいけない暗黙の要求
・法令などの規制
・その他、組織が必要と判断したもの全て
が含まれます。(7.2.1参照)
さて、この「設計・開発のレビュー」が規格に盛り込まれた意図は何でしょうか。
設計・開発を進め、技術的な課題と格闘するうちに、
いつのまにか設計者の頭の中で「作りたいモノのイメージ」が
「顧客が望むモノ」からズレていくのを防ぐためだろうと、私は考えています。
レビューだけで長くなてしまったので、検証と妥当性確認については次回に持ち越します。
早めに書くよう心がけます・・・