「品質」ってなんだろう。
言葉としては、「この企業の製品はどれも品質が良い(悪い)」という使い方をする。
この用例においては、「品質」を「値段」や「ブランドイメージ」に置き換えても成立する。
「製品」、つまり何らかの仕事をした結果としての「成果物」の、
属性の一種として「品質」があることになる。
しかし、「属性」とは言い難いぐらい、「成果物」そのものと密接な関係にあるのも確かだ。
何もしないで寝ていれば、「成果物」はゼロで「品質」もゼロだ。
真面目にいい仕事をすれば、「成果物」が出来上がり「品質」も高い。
なので、「品質」≒「仕事の結果として産み出される成果物そのもの」と見なすことが出来る。
であれば、品質を左右するのは仕事の仕方そのものであり、ISOにおいてはそれを「プロセス」という。
企業の内部には、様々な仕事が存在します。
仕事が存在するということは、その成果として品質も存在します。
私はそれを5つに分類してみました。
顧客が対価を払うのは、値段が付けられる「製品」や「サービス」だけだが、
それ以外のところにも確かに「品質」は存在するのだ。
対価の対象となる「製品」や「サービス」を、「1次成果物」と言うことにしよう。
とにもかくにも、この品質を産み出さないことには商売にならない。
次に、顧客に提供されるが対価は払われない成果物を「2次成果物」と呼ぶことにします。
そんなものがあるのかって? よく考えてみて欲しい。
営業マンの態度が悪かったり、来客に対する接遇の仕方がいい加減だったりしたら、
当然、顧客に悪い印象を与えることになる。
その「印象」が仕事の成果物と言えるでしょう。
製品やサービスだけでなく、こういう品質の向上も目指さなければいけません。
次に、直接顧客には提供されない、内部の仕事の成果物を、「3次成果物」と呼ぶことにします。
これは、「仕事の仕方が効果的・効率的か否か」を指します。
同じ水準の製品を作り上げるにも、拙いやり方であれば、余計に時間とコストがかかってしまい、
結果として「割高な原価」、「長い納期」という成果物が生み出されてしまいます。
それでは、顧客からもらえる対価が同じでも、利益を圧迫してしまいます。
(納期に関しては、2次成果物に分類することも出来るかもしれません。)
また、直接生産活動に従事しない、間接部門の仕事の成果物を「4次成果物」と呼ぶことにしましょう。
生産活動の効率性をバックアップすることが彼等の仕事です。
これは「従業員満足度」としても測定可能ですし、3次成果物にも間接的に影響します。
企業の中にはもう一つ、「仕事」が残っています。
「経営」です。
経営者が下す各種「経営判断」の成果物としての、「会社の現状」自体が「5次成果物」です。
大雑把に5種類に分けてみました。
これらは、どんな企業にも存在するはずです。
この続きはまた後日。