クレーム考 <不満を引き出す調査をしよう!>

お客様がいちいちクレームを言わずとも、確実に蓄積していく小さな不満・・・
前回はそれに起因するクレームについて書きました。
今回は、その早期発見について書きます。
お客様の方から言ってこないのであれば、こちらから聞き出すしかありません。
そう、よくある顧客満足度アンケートです。
(この場合は、不満足度アンケートと言った方がいいかもしれませんね。)
顧客満足度調査についての私の考えは、
2008年12月28日(日) の「CS考 ~調査対象編~」で詳しく書きました。
今回はその続きでもあります。
顧客満足度って、よく5段階になっていますよね。
オール自由記述だと分析が大変なので、なるべく定量的にやりたいのは分かるのですが、
扱い方には気をつけなくてはいけません。
特に真中の「普通」には。
私が思うに、この「普通」というのは、
「どこにでもいる並みの業者だね。」と言われているに等しいんじゃないでしょうか。
お客様には、満足していただいた上でリピーターになっていただかないといけないのだから、
「普通」じゃ駄目なんです。
なのに、「やや不満」や「不満」と答えたお客様にだけ
その理由を聞いているアンケートをよくみかけませんか?
調査の目的が分かっていないからそうなるんですね。
そして、この「普通」にこそ「小さな不満」が隠れているのではないか・・・? と思うのです。
どんな企業も、そして社員も、基本的には「お客様を満足させよう」と考えて仕事をしているはずです。
精一杯好感を与えるように接客し、注文通りの品物を仕上げ、納期を守って納品して・・・
なのに、返ってきた答えが 「 並 み だ ね 。 」 だったら?
きっと、気付かないところで不満を与えているのだと思います。
それを引き出す調査が出来れば、より意義のある調査になるでしょう。
そもそも、何らかの仕事をしたら、お客様の心の中には必ず
「満足」か「不満」、あるいはその両方の感情が産まれるはずなんですよね。
人と人の間になんらかのやり取りがあって、
何の情動も芽生えないということはあり得ませんから。
そう考えると、「普通」という選択肢自体が不要なのかもしれませんね。

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    私のブログ(IT系ベンチャー社長の日記とグチ)にてコメントを書いて頂いた渡辺(しげ)と申します。
    私は小さな大阪でソフトハウスを経営している立場上、色々と「満足度アンケート」を記述する事が多いです。
    サービスなどに対して色々と小さな不満があっても、「普通」の段にチェックを入れて済ます事が多いです。多くのアンケートは「悪い」とチェックすると細かく理由などの記述を求められる事が多いのが理由です。
    「アンケートに答える方の立場を考えて、負荷を少なくする努力をしたら・・・」と言うようなアンケートもあります。
    その代表が役所絡みのアンケートです。先日、経済産業省からアンケートが来ました。内容は弊社が取引を行っている企業に対する評価を求めるアンケートです。記述する箇所が多くて、つい適当に書いてしまいました。
    お客様の満足度を高めるのに一番の近道は、「不満点を解決する」です。本来は「普通」、「良い」よりも「悪い」の方が業務改善のヒントが多く含まれているはずなのに残念です。
    「アンケート」を行う側に明確な目的意識を持って、項目や回答方法などを工夫したら本当に業務改善につながるような重要な回答も増えると思います。

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    コメントありがとうございます。
    どんなに練ったアンケートでも、書いていただかないことには意味がありませんから、
    「いかに回答しやすい(したくなる)ように作るか」も重要ですね。
    やっぱり記述は面倒ですよね。
    はい、私も面倒ですw
    数を絞る、質問の意図を明確に絞る、オマケをつける・・・
    いろいろ考えないといけません。

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