続・PDCAの嘘。 やっぱり「CAPD」だ!

2008年11月03日(月)の記事の続編です。
最初は続編として書くつもりは全く無く、ふとした閃きだったのですが、
考えを深めていくうちに、結局「CAPD」というかねてからの持論にたどり着きました。
これからISO9001を取得しようという企業は、
自社の現在の品質管理体制に満足していない企業が多いはずです。
そして、経営者は「本当はもっとこういう品質管理をしたいのに・・・」という
強い”想い”を抱えていることでしょう。
それ自体は大変結構なことです。
しかし、最初に規定づくりをする段階で、その”想い”が先走ってはいけません。
以前読んだあるISOの本に、「規定を作る際は、今やってることをそのまま書きなさい。」
と書いてありました。
どんなに未成熟な企業であっても、
品質管理的なことを全く何もやっていないということは無いはず。
何かしているはずだから、それをそのまま書けばいいんだそうです。
最初それを読んだときは、「現状以上に背伸びした規定を作っても、どうせ出来ませんから。」
という程度の意味として解釈していましたが、、
実はもっと深い意味があることに気がつきました。
まさに、「マネジメントシステム」の本質にかかわる部分です。
経営者が
「ISO9001を導入し、今後はもっとレベルの高い品質管理をしていきたい。」
と考えていても、それをそのまま規定にしてはいけません。
現時点でそういう「レベルの高い品質管理」が出来ていないということは、
必ずどこかに「出来ない理由」があるはずなんです。
それを究明し、解決しないことには、現実は何も変わりません。
ISOは、ドラえもんのポケットではないんです。
「あんなこといいな、出来たらいいな」という青写真を掲げることも大事ではありますが、
規定とは違うところで、長期目標としてやるべきです。
現状を把握し、レビューし、問題点を浮き彫りにし、解決する。
それを繰り返すことこそが、「マネジメントシステム」のはずです。
そういう工程をすっとばして、いきなり理想論の「Plan」を掲げたところで、
昨日まで出来なかったことが急に出来るようにはるはずがないんです。絶対に。
そんなに簡単なものだったら、経営者なんて誰にでも務まります。
だから、経営者にとってどんなに不満だらけの「現状」だったとしても、
まずはそれをそのまま文書化してみましょう。
そして、関係者全員を集めて、どこに問題があるのか、
何がネックで理想に近づけずにいるのか、じっくりレビューしましょう。
全てはそこから始まるのです。
「P」から始めても、「継続的改善」は機能しません。
むしろ、本当のマネジメントシステムから遠ざかる行為だと思います。
「CAPD」でいきましょう。