「プロ」って何?

「その仕事で生活が出来る人。」だとか、
「1円でもお金をもらえばプロ。」だとか、
ビジネスマンが100人いれば100通りの「プロフェッショナル像」がありそうだ。
私も長年、「しっくり」くる理屈が見つからずにもがいていたのだが、
ふとした兄との会話がきっかけで、かなり前進できた。
兄は建築設計の仕事をしている。
当然、現場に赴いて「図面通りに作っているか」をチェックするのも仕事のうちだ。
その兄が言う。
「どんなに腕のいい職人でも、報酬が安ければ恥ずかしい手抜き仕事を平気でする。」
つまり、きっちり値段分の仕事しかしないそうだ。
(それはそれでいい腕がある証かもしれないが。)
しかしそれでいいのだろうか?
仕事とは、報酬に対して責任を負うのだから、間違っているとは言えない。
職人の腕を評価せず、不当に値切る方が悪いとも言える。
しかしやはり何か引っかかる。
値段分の仕事しかしない人に、次の「何か」を期待するだろうか?
以前のブログにも書いたが、ビジネスとは基本的に永続性が前提である。
ビジネスそのものが期間限定キャンペーンであってはならない。
その視点が有るか無いかで、仕事の仕方は大きく変わってくる。
何がいいたいかというと、必ず、「次につながる」仕事をしなくてはいけない、ということ。
「その場限り」ではいけないのだ。
値段ぴったりの質の仕事しかしなかったら、顧客としては「まあこんなもんだな」としか思わない。
それだと、次の受注が来るとは限らない。
その水準の他の職人と、比較されてしまう。
「ためしに、今度はあの人に頼んでみようかな。」と思われたらアウトである。
そのためには、たとえ報酬を値切られようと、そのやや上の水準の仕事をしなくてはいけない。
「値段の割に良かったな」という安心感を顧客に与えれば、
「その値段ぴったり」のレベルの同業他社に仕事を取られる心配はない。
逆に、「次はもう少し大きな仕事を任せてみようかな。」と思ってもらえるかもしれない。
少々楽観的かもしれないが、少なくとも、値段ぴったりの仕事しかしなかった場合は
そんな風には思ってもらえないはずだ。
必ずしもこの方法でなくともいいが、常に「次」に繋がる仕事をしていなければ、
「趣味がたまたま上手くいった」のと大差ないのではないだろうか。